ハワイ公演、開演! byみなみ
さあ、いよいよ開演です!
第1部はお芝居「相馬の千太郎」。
お芝居の途中途中で、すすり泣く声、涙をぬぐう姿があちこちに見られたこのお芝居。太一くんのこれまでのベスト作品、といってもいいくらい光っていました。妹おみよ(吉野悦世さん)とのシーンも泣けましたが、なんといって千太郎と母とのシーンはこらえがたいものがありました。なんと母を演じたのは、太一くんの実の母、鈴花奈々さん。真の親子の呼吸、とでもいいましょうか、素晴らしい演技でした。
ストーリをお話しすると長くなってしまいますが、紹介しないままでは、何が泣けるのか?も伝わらないので、簡単にご紹介します。
太一くん演じる千太郎は、知恵遅れの妹おみよと2人で、大火事で生き別れた母を捜し続けていますが、そんな中、悪事をはたらく鬼神一家に追われる身になってしまいます。千太郎の知恵遅れの妹、おみよをエサにおびきよせようとする鬼神一家。千太郎はおみよを守ろうとするのですが、無念にもおみよは切られ「おかあちゃんに会いたい」と言い残し、母との思い出の鈴を手に息絶えてしまいます。
千太郎はおみよの髪の毛束と鈴を手に、母を探し当てるのですが・・・。火事で目が見えなくなった母はこれまでに何人もの人に騙され、千太郎が本当に息子だということをなかなか信じません。冷たい言葉を浴びせ、疑り続けるのですが、おみよの鈴の音を聞いてハッとします。(もしや、本当に千太郎)と気づいた母。しかし千太郎は、母にはもう母の人生がある、と感じたのか、後ろ髪をひかれながらも、その門を出ていったのです。
そして、鬼神一家が千太郎を見つけ切りかかろうとしたとき、千太郎は「おまえら、親はいるか?兄弟は?」とたずねます。「そんなものいねえ」という声を聞き、「じゃあ、切る!」と、殺陣をカッコよく決め手ぬぐいで刀の血をふき取り、サッと鞘に収めた時、客席からはあまりの格好よさに「うぉ」と小さなどよめきが起きたのでした。
「千太郎~、千太郎~」目の見えぬ母は捜し続けます。その姿を知りつつも千太郎は、苦しい気持ちを抑えて、三度笠をかざして前を見据え、自分の道を進もうと決めたのです。
緞帳が下りると、会場は大きな拍手。そしてまだまだ涙、の皆さんです。
実は前日のリハーサルではホールの使用時間が24時までと決まっていて、お芝居の全体を通したリハーサルができず、部分的な稽古しかできなかったんです。音、照明、幕のタイミング、演者さんたちの全体確認など多くのことに不安を残したままでした。それらの不安に加え、現地の日本語のわからない方々にも、お芝居はわかってもらえるんだろうか?という不安もあったのです。
しかし、そんな心配どこへやら! 日系の方はもちろん、日本語のわからない方々も涙を流して芝居に没頭しているではないですか! 涙を流すどころか、号泣している方も目にしました。お芝居って言葉を越えて通じるのですね。
まだこれから第2部舞踊ショー、第3部舞踊劇「千年の祈り」と続くわけですが、お芝居が終ったこの時点ですでに、ハワイ公演の成功、拍手喝さいがイメージできてきました。「ああ、早く2部3部を見ていただきたい」そんな気持ちでした。