「美しき華」inル・テアトル銀座⑧~「美の扉」開く~ by工藤ちはる
オープニングのBGMがフェードアウトすると、第2部舞踊ショーの緞帳がゆるゆると上がりました。暗闇の中に、舞台中央の大きな階段がぼんやり浮かんでいます。最上段に一筋の光が降り注ぎ、鮮やかな紫と赤が印象的なグラデーションの着物に身を包まれた二代目が現れました。
ゆるやかに流れてきたイントロは、「This is My Life」。…二代目にとって、ひとつの出発点と捉えられてきた曲です。14歳の二代目が、初めて大舞台に羽ばたいたときの門出の曲であり、また浅草大勝館が幕を閉じたときのフィナーレを締めくくった曲でもあります。その後も、「蒼伝説」やディナーショーなどで、一連の舞踊の最後、クライマックスに組み込まれ、観客それぞれの心に響く曲であり、二代目の舞いでした。その曲が、第2部舞踊ショーの最初に登場したのですから、新鮮な驚きと嬉しさがこみ上げてきました!「歌うこと、それが私の人生」と歌い切るシャーリーバッシーの歌声が、二代目のしっかりと未来を見据えた瞳を輝かせていました。 大階段がモーゼの十戒よろしく、左右に割れて、二代目がその奥へと消えていくと、曲は「SPEED」に。扇を手にした二代目を取り囲むように、しゃなりしゃなりと揃いの白い紋付を着た劇団朱雀の男女優陣が勢ぞろいします。虹色の二代目を中心に正座をして、全員そろってゆったりとしたお辞儀をするのですが、そのアップテンポな曲と古典的な所作のミスマッチさが贅沢で、何とも華やかでした。その後、扇を手に、二代目を中心とした、きりっと気持ちが引き締まるような群舞が繰り広げられました。
続いて、華やかな衣装の奈々さんがふんわりとした羽織を小道具に舞っているところに、男優陣の群舞が加わり、舞台は盛り上がりました。 赤系を中心とした照明が落ちて、青い闇が広がると、波の音が聞こえてきました。曲が変わり、「青い影」です。二代目は大階段の中腹から、大きな白い羽の扇を手に、まるで眠りから覚めた白鳥のように優雅に舞い始めたのでした。青い照明の中、淡い色調の着物に黒い長髪がクールな雰囲気です。それなのに、二代目が醸しだすのは、甘く優しい桃色を想像させるような乙女心なのでした。まさに、パンフレットに出てくる言葉「“早乙女太一”という奇跡」を目の当たりにした感覚でした。
(つづく)