2010/05/13
明治座「舞踊ショー」① by工藤ちはる
30分ほどの休憩時間もあっという間に過ぎ去り…第二部の舞踊ショーが始まりました!
緞帳が上がると…「エ~ンヤ~」と聞こえてくる風流深川唄のメロディ。花笠を手にした芸者姿の二代目が、凛と舞台に現れます。後ろ姿の二代目が振り向くまでに、真っ先に目に飛び込んでくる…この花笠。いったい、何代目になるのかな、と、ふと考えが過(よ)ぎりました。まだ大きな舞台に立つ前の浅草の大勝館で、繰り返し舞台を共にしてきた初代花笠は、ライトに照らされ続けて色あせてしまい、二代目が大舞台に飛び立つ前に、次の世代へと交代を果たしたのでした。 使わなくなった花笠は無用の長物。折りしも月末、劇団入れ替え時期の大勝館は、荷物でごった返していました。 処分品の山の中に、全体に白っぽくなった花笠を見つけたときは、ひとつの時代の区切りを感じ、お疲れ様、と声をかけたのを覚えています。…ところが…数日後、大勝館の事務所の片隅に、捨てられたはずの初代花笠を発見しました!捨てられるのを見かねた誰かが、救い出したのでしょう。その場所にしばらく置かれていたものに、いつしかゲスト出演で訪れた二代目のサインが入り…しかも、「急いで書いたから」と、太一の点「、」の位置がちょっとずれてしまっているのもご愛嬌。今でもこの初代花笠は、どこかで二代目の活躍を見守っていることでしょう。
明治座と御園座での公演が終わり、心機一転の二代目。ここからしばし、明治座での二代目の晴れ姿の写真を眺めながら、二代目の今後の飛躍に思いをシフトして行きましょう。
明治座千秋楽の思い出 by工藤ちはる
舞台は生き物、と言います。出演者やスタッフは一定の高水準を保ちつつ、客席のテンションなど様々な要素がからみあって出来上がった作品は、その日、その回だけの唯一のものであると言えるでしょう。そう考えると、千秋楽を観た直後は名古屋にも行きたい!と強く思ったのですが、残念ながら機会を作ることができませんでした。
明治座での千秋楽では、第二部舞踊ショーが終了すると、二代目だけのカーテンコールに続き、再び緞帳が上がりました。するとそこには…劇団朱雀の面々の他、「嗚呼、田原坂」の出演者が勢ぞろいです!華やかな女形の二代目に並び、きらびやかな藤巻や沙雪、武者たちがそろって挨拶をする舞台上には、夢のような世界が広がり…
二代目の送り出しを見届けてから劇場を出て雨の中を歩き出すと、すぐ隣りに、パリのカフェを思わせる赤いひさしの「シュヴァル」という洋食屋がありました。シュヴァルは、フランス語で馬を意味します。雨と馬。私の頭の中では再び民謡の田原坂が響いていました。「雨は降る降る、人馬は濡れる、越すに越されぬ田原坂…」。幕間にアイスもなかを食べただけの私と連れ合いは、この店に入り、舞台の余韻にひたりながら遅めの昼食を楽しんだのでした。
明治座の2度目の幕間 by工藤ちはる
「嗚呼、田原坂」の前半と後半の間にも休憩時間が設けられていましたが、正直、どのように過ごしたかあまり記憶がありません。プログラムに見入ったり、前半の物語を反芻してみたり…まだまだお芝居の渦中にいたのではないかと思います。
お芝居が終わって舞踊ショーを控える段になり、ようやく幕間を楽しむ余裕が出てきた私でした。
あちこちの店を覗きながら歩くロビーでは、甘いお菓子の香りが漂っていたりして、ちょっと小腹がすいたような気もします。人形町の駅を出たところの老舗の和菓子屋の大きな黒豆の甘納豆もいただいたのですが、こちらは家に帰ってから楽しむこととして…さて、何を食べましょう。
行列が出来ていたのは、アイスもなか売り場でした。そう言えば、お芝居の合間に隣の席の老夫婦のお二人が美味しそうに召し上がっていたのを思い出しました。売り場の人に聞くと、作りおきではなく、注文したその場でウェハースにアイスを包むので、外はパリパリ、中はヒンヤリでとても美味しいとのこと。ということで、さっそく私もその行列に並びながら、バニラ・小倉・抹茶のうちのどれにしようか真剣に考えていたのでした。
客席に戻ると、舞踊ショーの開始まであと数分でした。ふと天上を見上げると…大きなシャンデリアなどはありませんでしたが、存在感のある四角い模様が一面に広がり、落ち着いた明るさに照明が調整されていました。観劇のあいだは存在を消す天井ですが、劇場により個性があって、とても面白いのです。これまで訪れた劇場でも、必ず一度は注目することにしています!
2010/05/10
明治座「田原坂」⑥ by工藤ちはる
ストーリーは、戦うことや生きることなどを通して、新之助の目線から「愛」について探求していました。また新之助を取り巻いて登場する伊予、藤巻、沙雪といった女性たちの生き方や愛情表現の仕方を見て、女性としての幸せについて考えさせられました。愛する幸せと、愛される幸せ…。強い語り口の藤巻(知念里奈)がふと見せた女性らしい一面は可愛らしく、また愛らしく振舞っていた沙雪(高部あい)が命を落とす間際に男たちに挑んでいく姿は力強く、そんな意外性を垣間見ることで、それぞれのキャラクターの魅力をより強く感じたのは私だけではないでしょう。。
明治座での千秋楽は、雨がしとしと降る1日でした。劇場を出たところで降りしきる雨空を見上げると、「田原坂は、今日も雨か…」という台詞が聞こえてくるようでした。そして、それから3週間後の御園座での千秋楽。この日の名古屋も、雨の1日だったということです!これはもう単なる偶然とは言えないと、御園座の千秋楽を観た友人から震える声で報告があったのが、今でも耳に焼き付いています。田原坂で命を落とした数多(あまた)の薩摩隼人たちが、いつまでもその史実を忘れてないで欲しいと、雨雲を呼び寄せたのかもしれません。
明治座「田原坂」⑤ by工藤ちはる
新之助が陣地に戻ると、新政府軍の密通者となった薩摩藩士たちの家族が処刑されるところでした。刃を向けられた沙雪が、裏切り者となってもなお父を慕い、新之助に抱いた恋心を押し殺してまで武家の娘として命を全うする姿に、新之助はある種の感銘をも受けたかのようでした。
ちょうどその頃、薩摩軍のトップである大西郷からの伝令が、新政府軍に捕らえられ、「薩軍は、全軍撤退せよ」との命令が、最前線まで届かない事態となっていました。
新政府軍の手先となり、新之助の父を暗殺した抜刀隊の久坂は、自分の犯した行為を恥じ入り、今こそ罪をつぐなうときだとばかり、その伝令を薩軍に、田原坂で攻防を張る陣営に伝えるべく、走り出しますが…。
撤退命令がない以上は、進軍を続けるしかない抜刀隊。新政府軍は新しい兵器を持ち出していました。ガントリング砲の弾丸が飛び交う中を、薩軍のため、そして伊予を守るために戦う決意を固めた新之助は、仲間のひとりに「お前だけは死なずに、母のもとに、これを」と、伊予への手紙を託します。 抜刀隊と、新之助を援護する薩摩一番隊から四番隊までの大隊長らが、自ら盾となり弾丸に撃たれ、命を落としていきます。仲間たちが次々と倒れる中を果敢に進んでいく新之助のもとには、大西郷からの命令は、もはや届くことはありませんでした。
敵の弾に当たり、朦朧としていく意識のなか、新之助の瞼に浮かんでくるのは伊予の優しい、あじさいの花ような笑顔だったのでした。
明治座「田原坂」④ by工藤ちはる
新之助は伊予を守ることはできましたが、啓二郎は刺客の刃に倒れ、息を引き取りました。新之助はまた戦うことに疑問を持ち、自分の進退に行き詰まってしまいました。武家に生まれた女性として毅然と振る舞う伊予に対し、高ぶる感情のままについ荒々しく接してしまう新之助ですが、すぐに自分を取り戻し、「戦って、無事に生きて帰ってくる」ことを伊予と約束するのでした。
「愛」と「戦い」が新之助のなかでリンクしたのでしょう。再び戦場に向かう新之助の心は、“愛するもののために戦う”というひとつの決意で固められていました。もう、戦うことに対して、新之助が迷うことはありません。
明治座「田原坂」③ by工藤ちはる
ところが、陣地に到着すると、父は殺されていたのです。
2010/05/07
明治座「田原坂」② by工藤ちはる
ある日新之助が家に帰ると、父親から「今日から、お前たちの新しい母だ」と紹介され、自分と弟の前に出てきた女性は…幼なじみの伊予(持田真樹)でした。家の守りのために後妻を迎えたばかりの父は、その日、政府軍と戦うために戦場に赴いてしまいました。
伊予を母として同じ家で暮らすことに強い動揺を覚えた新之助は、飫肥を出るための口実として出兵を志願し、抜刀隊(ばっとうたい)に選抜されます。薩摩の各地区からの選りすぐりの若者たちで編成された抜刀隊、その中でも新之助は皆の憧れの存在で、当然のように隊長となりました。
戦を前に興奮する隊員たちの中で、一人冷静な新之助でしたが、戦うことに対する疑問と恐れが抜けきれないままなのでした。血気盛んな若武者たちとは対照的に冷静な新之助のアドリブのやりとりが、とても微笑ましいシーンでした。二代目を笑わせよう、乗らせようとするコールに、観客も手拍子で加勢します。唇の端でニヤリと笑うと、ちょっとだけ…とでも言うように乗ってしまう二代目に、会場は爆笑でした。
抜刀隊としての初戦を迎えました。新之助は、襲いかかってくる政府軍の刀をひらりひらりと交わしますが、どうしても、自分から向かっていくことができません。相手を切ることができないままでは、戦では敗北につながります。
自己防衛のつもりで振った刀が相手を切りつけ、初めて人を殺(あや)めた新之助。しばし、その事実に愕然とします。「戦う意味を知りたい」と、人を殺すことの意味と意義を見出せないままの新之助の前に、神に仕える藤巻(知念里奈)が現れます。この死者を鎮魂する藤巻は、このあとも新之助の心の声とも言えるようなタイミングで登場し、勇気付けていくのです。 活躍目覚しい新之助に思いを寄せる娘、沙雪(高部あい)の気持ちにも心が動かないまま、日々寡黙に過ごしているときでした。大隊長の村田(山崎銀之丞)から、恋をして、世間を広く見る視野を持つように言われます。ここでまた、楽しく長いアドリブのシーンでした。愛について語る大隊長は、ポカンと聞いている新之助をよそに、どんどん盛り上がっていくのです。そのテンションに最初はついていけない新之助でしたが、恋をすることについて自問自答したときに、浮かんだ女性…それは紛れもなく、伊予なのでした。
2010/05/06
2010/05/05
明治座「田原坂」① by工藤ちはる
千秋楽で観た「田原坂」をご紹介しましょう。基本的にはプログラムのあらすじに則って進めますが、ときどき、個人的な感想や、主観的な記述も混じることもありますことを、ご了承のうえ、ご容赦ください。
物語は、明治維新後の薩摩が舞台です。激動の時代、故郷のため、愛する者のために血を流し命を散らす若者たちの話ですから、どんなに重々しい雰囲気なのだろう…と幕が上がるのを待ちました。
確かに、冒頭は史実を交えた長い台詞の状況説明から始まります。理解と記憶を追いつかせるのに、必死でした。このままのテンションで舞台が続いたらどうしよう…ついて行けないかも…と不安になりましたが、そんな心配もすぐに杞憂に終わりました。
二代目、結城新之助の登場です!「Ladies and Gentremen!」というアナウンスに続く、歌と踊り…ちょっとしたエンターテイメント・ショーを思わせるような展開で、びっくり!
あっけにとられているうちに、お芝居が始まりました。最初の剣の稽古場のシーンでは、軽く笑える素材が散りばめられていて、オープニングの重苦しさから一転、気が楽になっていくのを感じました。
飫肥(おび)藩に暮らす新之助は、厳格な武家で実直に育った青年です。道場では、師匠の野津(山本亨)をも打ち負かすほどの剣術の腕前を持つ新之助ですが、師匠に「お前の剣には、覚悟がない」と言われます。新之助は戦うことの意味について、考えあぐねたまま日々を過ごしていたのでした。
2010/04/25
民謡「田原坂」 by工藤ちはる
私が田原坂(たばるざか)という言葉を初めて知ったのは、今から4年前でしょうか。二代目の舞いといえば、女形でも立ち(男)役でも、白塗りのお化粧をした姿が当たり前だった頃、初めて素顔でカツラを着けずに剣舞を舞った曲なので、とても印象に残っています。東京国際フォーラムの大舞台を皮切りに、氷見での公演などで何回か観ていますが、いつも初心に帰る想いです。今回のお芝居でも、二代目の舞うような殺陣がとても印象的でした。
「田原坂」の剣舞については、DVD「十五歳」に収録されていますので、是非ご覧ください!また解説でも田原坂について書いていますのでご参照いただければ幸いです。
民謡の田原坂は、「しゃかふぃ、しゃかふぃ」という合いの手が耳に残っていますが、改めてどのような歌詞だったのか、見てみましょう。民謡ですので、昔話のように伝えられ方で違う解釈がされたりしているようです。私が見つけた歌詞では、最初の「じんば」は「人馬」ではなく、「陣場」という漢字が充てられていました。雨の中での陣地線の激しい攻防が目に浮かぶようです。
雨は降る降る 陣場(じんば)は濡(ぬ)れる
越すに越されぬ 田原坂(たばるざか)
右手(めて)に血がたな 左手(ゆんで)に手綱(たづな)
馬上ゆたかな 美少年
山に屍(しかばね) 川に血流る
肥薩(ひさつ)の天地 秋さびし
草をしとねに 夢やいづこ
明けのみ空に 日の御旗(みはた)
泣いてくれるな かわいの駒(こま)よ
今宵(こよい)しのぶは 恋でなし
どうせ死ぬなら 桜の下(した)よ
死なば屍(かばね)に 花が散る
田原坂なら 昔が恋し
男同志の 夢の跡
春は桜よ 秋ならもみじ
夢も田原の 草枕(くさまくら)
2010/04/21
二代目ワールド by工藤ちはる
ファンクラブブースでは、これまでのツアーにはなかった「わらべうた」シリーズがラインナップされていました。蝶をモチーフとしたグッズはこれまでもグッズ売り場で販売されていましたが、今回は、幻想的な女形の二代目がモチーフとなったミニ屏風やミニ掛け軸、和紙プリント写真などの和小物やタンブラー…そう、昨年の夏、名古屋高島屋での二代目の特別展で販売されていたグッズたちです(2009年9月3日のブログ参照)!美しい被写体を美しくアレンジした写真…それだけでも豪華で贅沢なのですが、それが屏風や掛け軸となることで、さらにオーラを放っていました。
商品を撮影することに集中しているときでした。ふとファインダーの中の女性に名前を呼ばれて顔を上げると、そこにはとても懐かしい笑顔が…歌手の天雀(テンチュエ)さんでした!15歳だった二代目が、初めて主役となった舞台「蒼伝説」のフィナーレの曲「ムグンファの花」を歌っています。「十年、百年、千年…」というフレーズと伸びやかな歌声がよみがえります。この故郷を想う「ムグンファの花」は、その後、ホテルのディナーショーや単発公演のエンディングなどで舞うことが多かったので、記憶に残っている方もいらっしゃることでしょう。
2010/04/20
楽しい楽しい、明治座 by工藤ちはる
2010/04/19
いざ、明治座千秋楽へ! by工藤ちはる
御園座での公演は、4月16日、盛況のうちに初日を迎えたと聞いています。今回は、残念ながら私は名古屋まで足をのばせないので、是非とも皆様からのレポートをお待ちしています!
さてここからしばし、明治座での千秋楽を振り返りながら、公演の様子をご紹介していきたいと思います。
4月12日(火)は、前日までの春の陽気から一気に冬に戻ったような、花冷えのする朝でした。雨がしとしと落ちる中を歩いていると、「田原坂」の民謡が耳に蘇り、田原坂の決戦場に赴くような気持ちになってきます。「雨は降る降る 陣場(人馬)は濡れる。越すに越されぬ田原坂…」
初日のころはまだ五分咲きだった浜町公園の桜たちは、満開を経て、新緑の混じった色合いになっていました。明治座前のしだれ桜にもチラチラと緑が混じっていて、雨雲の空の下でパステルカラーがやわらかく揺れていました。 雨ニモマケズ、風ニモマケズ、千秋楽を楽しみに来場した人たちで賑わう明治座のエントランスを入ると、2階まで吹き抜けの空間が広がっています。入口では、手作りの着物パッチワークタペストリー「早乙女太一が舞う」がお客様をお出迎えしていました。ここは、開演までは待ち合わせ場所となったり、幕間では記念撮影スポット、そして公演後には二代目が皆様をお見送りする場所と、時間に合わせて重要な役割を担っています。今ごろは御園座のどこか目立つ場所で、来場者の皆様をお迎えし、暖かい配色で空間を癒していることでしょう。このタペストリーは、もはや公演キャストの一員といっていいかもしれません!
2010/04/15
観劇前後にこちらもチェック!②~演劇キック「観劇予報」~ by工藤ちはる
4月12日(月)に明治座での千秋楽を迎えた「嗚呼、田原坂」と、続く「早乙女太一舞踊ショー」は、16日(金)からは舞台を名古屋の御園座に移し、公演がスタートします!27日まで公演がありますので、皆様ぜひ、御園座へ足をお運びください!そして、観劇して感じたことなどがあれば、どうぞレポートとしてお寄せください!このブログで皆様と感動を共有していくことができれば、とても嬉しく思います。
明治座での私の観劇レポートについては追い追いご紹介させていただくとして、今回は、こちらのサイトをご紹介します。
http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/?p=2
「演劇キック『観劇予報』」は、演劇ライターさんたちによるブログです。稽古場見学、記者発表、インタビューなどから、近々公開される作品のおもしろさを探るというものです。4月2日、初日が開けた翌日に、物語の紹介や記者発表の様子など、究極のダイジェストで紹介されています!もうチェックされた方も多いかもしれませんが、まだご覧になっていない方は、どうぞアクセスしてみてください。
2010/04/12
観劇前後にこちらもチェック!~演劇ライフのインタビュー~ by工藤ちはる
ご紹介のタイミングが少々遅くなってしまいましたが…「演劇ライフ」というサイトをご存知ですか?演劇、舞台に関する様々な情報を検索することができるうえ、実際に観劇した人の感想なども見ることができます。
このなかのコンテンツに「注目インタビュー 私のターニングポイント」というインタビュー企画があり、Vol.96では二代目のインタビューが掲載されています。4月1日から最新号のVol.97となっていますが、トップページバナーの“一覧”からバックナンバーで、すぐ二代目を見つけることができます!
このインタビューを読んで、二代目が自分の成長を客観的に見つめ、分析していることに改めて感心しました。舞台は生活の一部、という環境で育った二代目が、10歳のときに映画「座頭市」に出演したときのこと、それから周辺環境がどんどん変化していったことなど、これまでも様々な編集者やライターにより取材がなされ、記事として発表されてきていましたが、ここでは二代目自身の言葉で語られていたのが新鮮でした。
「嗚呼、田原坂」にかける意気込みも語られています。これから観劇される方はもちろん、観劇した方も、このインタビューを読むことで舞台への思いがまたひと味違ったものになるのではないでしょうか。
それにしても、この企画に過去に登場した95名の錚々たる面々!ここに名前を連ねる二代目は、女形の舞踊だけでなく、役者として安定して定着しているということになります。これからの二代目の活躍に、期待が高まります!
2010/04/07
甘酒横丁を抜けて… by工藤ちはる
地上に出ると、そこは下町情緒豊かな「甘酒横丁」でした。横丁の入口に、かつて甘酒屋があり、繁盛していたことに由来するそうです。
色々な商店が軒を連ねているのですが、やはり目を引かれるのは、食べ物を扱うお店でした。電話帳ほどの大きな厚焼き玉子を焼いている店や、豆乳ドーナツや豆腐唐揚げなど変わった加工品が並ぶ豆腐屋などからは、いい香りがただよっていて、思わず足が止まります。
甘酒横丁を浜町公園に向かって北上していくと、明治座を案内する看板が目に入り、幕の内弁当や花見弁当が店先に並ぶようになってきました。まもなく、到着です。観劇のお供に…と銘打って、お弁当やお菓子などが売られているのを見ていると、ワクワク感が高揚してきました!
2010/04/05
明治座、初日を迎えて by工藤ちはる
交差点で足を止めて、大きく「早乙女太一」の看板がかかる高層ビルを見上げながら137年の歴史と伝統に思いを馳せると、改めて最年少座長を務める二代目の栄誉と健闘を、心のなかで讃えるのでした。また、ビルの周囲にはためく幟(のぼり)は、ミスマッチと思いきや、不思議と調和していました。明治座について調べていたら、戦前の画像もありましたので、ご紹介しましょう。
初めて明治座に行く私は、どのようなアクセスがいいか、演劇ライターSさんからアドバイスをいただきました。「近いのは浜町だけど、人形町からは到着するまでの道のりが楽しいですよ。」ということで、行きは人形町から向かうことにしました。
2010/04/01
明治座公演、開幕! by工藤ちはる
第一部は、お芝居「嗚呼、田原坂」で勇ましい殺陣を披露します。栄えある明治座で名だたる役者の皆様と共に、座長という重責に気を引き締めながら、18歳の若き薩摩藩士・結城新之助を演じる心意気を語る二代目。ときどき緊張のあまりか、インタビュアーから突っ込まれたりと、ほのぼのシーンもありました。この様子は、各メディアでも紹介されたので、ご覧になった方も多いかと思います!
2010/03/10
「千年の祈り」in松山⑤~観劇後のお楽しみ~ by工藤ちはる
会館を出ると、朝と同じく清々しい青空が広がっていました。山の上に鎮座している松山城からの眺めを見たくなりましたが、その日は道後温泉を予約していたのでした。市街地から道後温泉までは路面電車で10分ほどですが、すでに時刻は夕どき。会館からまっすぐ宿に向かいました。道後の温泉街では、あちこちにひな飾りが飾られていて、春の訪れを感じました
宿の温かいもてなしと柔らかいお湯でゆったり、リフレッシュすることができた翌日も、爽やかな天気でした!観光地となっている道後温泉本館(日本最古の温泉宿で、今でも銭湯として利用できます)の裏手にある伊佐爾波(いさにわ)神社で松山に来ることができた御礼をしてから、松山城へ向かいました。お城のふもとは芝生が広がった公園地帯です。私の生活圏内では、これだけの広々とした緑の空間を目にすることがないので、その中に身を置くだけでもじゅうぶん贅沢な気持ちでした。
このようにして、天候と同行者に恵まれた、何とも幸せな松山・観劇の旅は幕を閉じたのでした!
2010/03/09
「千年の祈り」in松山④~第2部舞踊劇「千年の祈り」~ by工藤ちはる
休憩時間が終わり、待ちわびた「千年の祈り」が始まりました。
望郷を思わせる曲の中、セピア色の背景に浮かぶ吉原の観音様。静かに祈り、過去に思いを馳せる老婆と子供たち(…友貴くんとあゆみちゃんは、いつの間にか、ずいぶん大きくなりました)。
一転して、警鐘と共に立ち上る火の粉と噴煙の中に老婆と子供たちが消えていくと、スモークの向こう側に浮かび上がる花魁のシルエット。スポットが当たると、この世のものとは思えない美しさを放つ女形の二代目が現れます。そこからしばらくの花魁道中では、時間が凍結され、息をすることも瞬きをすることも許されない感覚に身震いがしてきます。
その時間軸を打ち破るかのような太鼓の一打と、威勢のよい春樹座長の掛け声。花魁が寂しげな表情で去っていくのとは裏腹に、遊女たちが豪華絢爛な遊郭の世界へいざなってくれます。賑やかで楽しい時間が訪れます。
そして…陽之介座長の愛する人を想う一人舞踊に、胸の奥の方がじんわりと暖かくなります。その愛でしょうか、穏やかな愛情を一身に受けた女性(二代目)が喜びを表現しつつ舞う“鳳凰の舞い”は、その高価な着物がマスコミでも話題になりました。鳳凰が力強く舞いながら宙へ飛び立った後の春樹座長と女優陣の柔らかな花の舞い、奈々さんの子守唄…などなど、続くそれぞれのシーンは、どれも心に残ります。
奈々さんの子を失った切実な表情に涙し、切ない思いのまま迎える道行き(駆け落ち、心中)は、二代目を一躍世に送り出したシーンです。観るたびに、遊女の一途な想いに胸を打たれます。もうこの道行きが最後かもしれない…と、毎回そう思いながら心して観ていると、観劇中に僭越ですが、たった数年ですが自分の小史を紐解いていっていることに気づきます。2006年、二代目が15歳だった初回から数え切れないほど、国内外様々な場所で観てきた道行きですが、そのときに想う人がいたり、いなかったり、幸せだったり不幸だったり…そういった過去を経てきた今の自分を見つめ直すことができるのです。
話を「千年の祈り」に戻しましょう。愛するふたりが雪に包まれると、舞台は一転します。天使に導かれ、天上へ…。天国で結ばれた二人の晴れやかな微笑みを、二代目がまとう内掛けの観音様と、春樹座長がはおる羽織の龍神が見守ります。そして、赤い風ぐるまが印象的なフィナーレへ…。
この作品には、他の追随を許さない独特の品性や魅力があり、それは二代目と二代目を取り巻くチームが生んだ賜物です。私は毎回、この名作を観続けることができた幸運に感謝し、二代目とそのチームへの敬意の気持ちを新たにするのです。
※写真は今回の公演のものではありません
2008年7月ル・テアトル銀座での公演のものです
2010/03/08
「千年の祈り」in松山③~休憩時間~ by工藤ちはる
エントランスロビーに出ると、開演前に品定めしていたお客様がどっとグッズ売り場に繰り出していました。人気が集まっていたのは、観劇のお土産にすっかり定番となったお菓子の数々。おまんじゅうにクッキー、べっこう飴、煎餅、ゆべし、そして二代目も好物という羽二重餅…女形の二代目が華やかなパッケージが、公演会場を盛り上げていました。
お菓子以外の小物も、皆様興味深そうに手にとったり、見本を眺めたり、ゆったりと休憩時間を楽しんでいる様子。「千年の祈り」といえば花魁道中のシーンが印象的ですが、ここでは大判の花魁姿のポスターも人気のようでした。また、まだまだ寒い季節が続いていたので、二代目ロゴ入りエコカイロも可愛らしくディスプレイされていました!
グッズ売り場の対面側には、ファンクラブブースがありました。近づきながら、おなじみのDVDや写真集が並ぶ、いつもの風景かと思いきや、ディスプレイが多いようにも感じました。…そんなことを思いながらブースに着いてみると、そこには初めて目にするアイテムが!
2010/03/07
「千年の祈り」in松山②~第1部お芝居~ by工藤ちはる
松山市民会館の入り口から後方を見上げると、小高い山の上に松山城がそびえ立っていました。空と山と、お城…その他には、何も現代的なものが目に入りません。今にも、杖を手にした股旅姿の二代目が、肩をゆすりながら、笠を深めにかぶって山道から降りてきそうな雰囲気でした。そんなタイムスリップして江戸時代に来たような錯覚のまま会館に入り、14時の開演を待ちました。客席の入り口では、いつもの観音様が縁取られた「千年の祈り」タペストリーが私たちを出迎えてくれました。
第1部お芝居「身代わり勘八」は、皆様がレポートしてくださったように、笑いあり、涙ありの人情股旅ものです。二代目は、故郷に老いた両親を残して、喧嘩場を渡り歩くやくざ渡世に身を委ねる松五郎役。その松五郎を探す盲目の母(鈴花奈々)が、日切り地蔵尊の前で手を合わせて息子の無事と再会を神頼みしている場面から物語が始まります。目が不自由な老婆に悪さを仕掛けたチンピラをやりこめた親分(葵陽之介座長)は、老婆の身の上話に同情し、息子探しを手伝うことに。…祈りが通じたのか、老婆が去った直後に地蔵尊の前に松五郎が現れました。そこに偶然居合わせた同じ旅やくざの勘八(三咲春樹座長)と、気が合わないながらもお互い放っておけないという、奇妙な友情が芽生えるのでした。
親分から母親のことを聞かされ、翌朝の再会を約束した松五郎は、この地で宿を取ることに。旅籠を営む吉野屋の娘(鈴花ゆい)に惚れた松五郎と勘八は、小競り合いを繰り返しながら、どうにかして自分に振り向かせようとします。すったもんだしているうちに、二人の目的は、いつしか、吉野家に借金を負わせて娘を奪おうとする悪行一家を倒しに行くことで意気投合するのでした。なぜ「身代わり」か…それは今後、どこかの劇場で劇団朱雀が演じるこのお芝居とめぐり合えたときに、涙を流していただくよう、ここでは語らずにおきましょう。
ここまで読んで、あれ?レポートされている内容と何かが違う?と思った方もいらっしゃるでしょう。実は、早乙女弘河くんは体調不良のため、急遽、配役が変わったのでした。二代目と弘河くんのボケとツッコミも楽しいのですが、春樹座長の代わりを陽之介座長が、弘河くんの代わりを春樹座長が務めた舞台もそれはそれは面白くて…アドリブ満載でした。二代目の容赦ない攻撃に逃げ回るゆいちゃんは、少々気の毒でした。また、友貴くんの体を張ったスットボケ女中役には、心底笑わせてもらいました!客席からの声援に反応したり、お客様との一体感を味わえる大衆演劇の楽しさを残したお芝居に、改めて舞台は生き物、という感覚を再確認したのでした。
2010/02/12
「美しき華」inル・テアトル銀座⑫~観劇を終えて…~ by工藤ちはる
舞台のこともそうですが、今回は、観劇後にふと気づけた、ちょっとした変化をご紹介しましょう。それは、假屋崎省吾さんの生け花でした。初日に見たときと、花の咲き方やつき方が違うな、と思ってカメラに収めたのですが…比べてみると、どうでしょう?
そんなことに感動しつつ、観劇の余韻に浸っている横で、二代目は“お年玉”に当選したお客様とツーショット写真を撮っていました。そう、タップダンスの後にチケットの半券を使って抽選をして、3名の方が二代目とのツーショット写真を撮ることができる!というのが、今回の“お年玉”企画だったのでした。
この日は、熱海観光協会の皆様だけでなく、二代目を応援してきた、またこれから応援してくださるたくさんのお客様が大集結していました。私がお見かけしただけでも、二代目が最年少座長を務めた大阪の新歌舞伎座の方、4月に初舞台を踏む明治座の方…皆さん本当にたまたまこの日だったということですが、心からのエールを送っているのが印象深かったです。春の明治座の舞台にも、大いに期待しましょう!
2010/02/10
「美しき華」inル・テアトル銀座⑪~無限大のハートウォーミング~ by工藤ちはる
観劇の前後には、嬉しいサプライズが待っていました!SS席で観劇された皆様に、お土産が渡されたのでした。チケットに“お土産付き”とあったので、最初は何だろう?と気にはなっていたのですが、当日、私はすっかり失念して帰ろうとしていたのでした。入場のときに受け取り忘れた方には、ちゃんと、帰り道でも案内されていて、もれなく行き渡るような配慮がとても嬉しかったです。
小さな箱の中身は…エコカイロです!グッズショップで販売されていたのはピンク色で可愛らしいものでしたが、お土産は、非売品です。二代目の18歳のメモリアルロゴが付いていて、色もエコな感じのグリーンでした。 再利用できるということでしたが、何となくもったいなくて使えなかったのですが、私が2回目に観劇をした日はとても寒くて…銀座通りを歩きながら、いただいたばかりのカイロを使うことにしました。ぬくもりを求めて中の金属をポキッと鳴らすと…!!見る見るうちに泡が立ちこめ、じーんわりとしたほどよい暖かさが伝わってきたのでした。
今さらですが、このメモリアルロゴを改めて見ると…。女形の二代目と、∞(無限大)の組み合わせになっていたのですね!
(つづく)
2010/02/09
「美しき華」inル・テアトル銀座⑩~うっとりしたままフィナーレへ~ by工藤ちはる
「ウィズインアトラクション」の曲が終わると、会場が真っ暗になりました。スポットが客席の端のほうを照らすと、その辺りから歓声が沸きあがりました。二代目が、客席から登場です!
右側がオレンジ、左側が青で、間がグラデーションになっている着物に、大きな髪飾りを付けた下髷(したまげ)の髪で、黒いショールを小道具に、大人の妖艶さをただよわせながら舞っていました。そのまま、客席の間を通りながら舞いを続ける二代目に、近くのお客様たちは小さな歓声を上げたり、拍手を送ったり…感激している様子が伝わってきました。 舞台の際(きわ)の階段での舞いが終わると、段上に上がっていきました。舞台の背景には、大きな蝶がゴージャスに光り輝いています。光の演出は素晴らしく、そのまま舞い続ける二代目を、まばゆい光が包んでいきました。眩暈(めまい)がしそうなほどのオーラを放つ二代目に、会場からは拍手喝采、思わず「太一!」と掛け声も聞こえてきました。
光の中へ二代目が吸い込まれたかと思うように曲が終わると、続いて座長と奈々さんが登場して、夫婦で息の合った相舞踊をみせてくれました。そして、朱雀の全員と友貴くんが入れ替わるように登場して、群舞です。
いよいよ、最後でしょう。二代目が着物はそのまま、髪型を愛らしいお姫様のようなカツラに替えて再登場し、華やかなフィナーレの群舞へと場面が流れていきました。
うっとりと美しさに酔いしれた1時間でした。うっとりしながらも、ときにはワクワク楽しかったり、悲しかったり…場面によって様々な情景が思い浮かび、全体がひとつのストーリーを紡いでいるかのようでした。18歳になった二代目の新年の舞いは、期待を裏切らない、いえ、ますます未来への可能性を示唆しているかのようでした。“早乙女太一”という歴史を刻んでいくその1ページを、同じ空間で堪能できた幸せを噛みしめながら会場を後にしたのでした。
(つづく)
2010/02/08
「美しき華」inル・テアトル銀座⑨~「桃源郷」から「彗星伝説」へ~ by工藤ちはる
曲が変わり、黒い影が覆いかぶさるように黒装束の男優陣が登場します。そこに、黒い衣装に大きな緑のマントをひるがえしながら、座長が現れました。迫力のある大きな動きに包まれたまま、友貴くんと女優陣が消えて行き、やがて黒い軍団も去っていきます。
背景が白い布で覆われ雪原のような趣に一転すると、もの悲しいメロディが流れてきました。「アランフェス」です。白い着物を着た二代目が、悲しげな表情で登場しました。愛する者を失ったのでしょうか、切ない表情で肩を震わせながら涙をこらえている姿に、観客の涙が誘われました。
曲が変わり、座長が登場します。男女優陣との群舞をはさみ、座長ひとりが舞台に残り、演歌でしっとりと舞いました。
二代目は、淡く大きめの配色のグラデーションに、黒いポニーテール。やはり、ティアラのような髪飾りを付けていました。榊を手にした男女優陣と共に、流れる星を思わせるような、息の合った「ウィズインアトラクション」の群舞が繰り広げられました。二代目の扇子を巧みに使った技が光ります。
(つづく)
2010/02/03
「美しき華」inル・テアトル銀座⑧~「美の扉」開く~ by工藤ちはる
オープニングのBGMがフェードアウトすると、第2部舞踊ショーの緞帳がゆるゆると上がりました。暗闇の中に、舞台中央の大きな階段がぼんやり浮かんでいます。最上段に一筋の光が降り注ぎ、鮮やかな紫と赤が印象的なグラデーションの着物に身を包まれた二代目が現れました。
ゆるやかに流れてきたイントロは、「This is My Life」。…二代目にとって、ひとつの出発点と捉えられてきた曲です。14歳の二代目が、初めて大舞台に羽ばたいたときの門出の曲であり、また浅草大勝館が幕を閉じたときのフィナーレを締めくくった曲でもあります。その後も、「蒼伝説」やディナーショーなどで、一連の舞踊の最後、クライマックスに組み込まれ、観客それぞれの心に響く曲であり、二代目の舞いでした。その曲が、第2部舞踊ショーの最初に登場したのですから、新鮮な驚きと嬉しさがこみ上げてきました!「歌うこと、それが私の人生」と歌い切るシャーリーバッシーの歌声が、二代目のしっかりと未来を見据えた瞳を輝かせていました。 大階段がモーゼの十戒よろしく、左右に割れて、二代目がその奥へと消えていくと、曲は「SPEED」に。扇を手にした二代目を取り囲むように、しゃなりしゃなりと揃いの白い紋付を着た劇団朱雀の男女優陣が勢ぞろいします。虹色の二代目を中心に正座をして、全員そろってゆったりとしたお辞儀をするのですが、そのアップテンポな曲と古典的な所作のミスマッチさが贅沢で、何とも華やかでした。その後、扇を手に、二代目を中心とした、きりっと気持ちが引き締まるような群舞が繰り広げられました。
続いて、華やかな衣装の奈々さんがふんわりとした羽織を小道具に舞っているところに、男優陣の群舞が加わり、舞台は盛り上がりました。 赤系を中心とした照明が落ちて、青い闇が広がると、波の音が聞こえてきました。曲が変わり、「青い影」です。二代目は大階段の中腹から、大きな白い羽の扇を手に、まるで眠りから覚めた白鳥のように優雅に舞い始めたのでした。青い照明の中、淡い色調の着物に黒い長髪がクールな雰囲気です。それなのに、二代目が醸しだすのは、甘く優しい桃色を想像させるような乙女心なのでした。まさに、パンフレットに出てくる言葉「“早乙女太一”という奇跡」を目の当たりにした感覚でした。
(つづく)
2010/01/28
「美しき華」inル・テアトル銀座⑦~髪型いろいろ~ by工藤ちはる
第1部が終了すると、二代目が現代風の男顔の化粧から、白塗りの女形へ変身するまでの30分間が休憩時間となります。ファンクラブブースやグッズショップに立ち寄ったり、生け花を愛でたり、着物タペストリーの前で写真を撮ったり、カフェで一息ついたり…、皆さん思い思いの時間を過ごしていました。
私は、パンフレットの香盤表を見ながら、改めて第1部の各シーンを思い返していました。二代目の舞いと共に印象に残っているのが、衣装であり、カツラでした。パンフレットの左ページに目を移すと、第1部でのカツラだけでも3人の達人たちが手がけていることが判り、それぞれを思い出してみました。
まず、バレエを踊る時は、優しいクリーム色がかった茶系でした。片方のサイドに数本の白い羽が付いているのが、ポイントです。そのサイドからバックにかけて、細い編み込みを伴ってうねるようなスタイリングがほどこされていて、白い衣装と共に、天使のたおやかさをかもし出していました。
その次のシーンでは、一転して濃いグレーの髪形になります。旗を使った大きな舞いと黒い衣装で、力強くかつセクシーな悪魔を演じていました。途中で、さらに変化した二代目の髪形は、黒と白のツートーンになります。毛先を外向きに遊ばせたスタイルで、二代目の激しい舞いが、さらに迫力を増していました。
タップダンスでは帽子をかぶっていました。その下は自分の髪型です。帽子から少し出た前髪やサイドの流れが毎回違っていましたが、どこを向いていても素敵でした!
後半になると、流浪の戦士はワイルドさのある茶系の長髪で、風の中で髪の束がもがきあうような感じで動いていました。光の戦士に変身すると、金色の長髪に。片方のサイドを大きな髪飾りでまとめたすっきりしたスタイルで、風になびくサラサラヘアが魅力的でした。
第2部舞踊ショーでの日本髪や着物も、どんな新作を見せてくれるか、楽しみになってきました!
(つづく)
2010/01/27
「美しき華」inル・テアトル銀座⑥~新ヒーロー誕生~ by工藤ちはる
第1部舞踊ショーは、二代目の天使と悪魔の2面性のある舞いと、友貴くんの棒術冴える舞いを堪能したあと、タップダンスで前半が締めくくられました。
タップダンス後、ちょっとしたサプライズ“お年玉”企画で二代目とSAROさんのトークがあるのですが、これが毎回アドリブで、楽しそうでした。ひととき話をして時間が来ると、「では、そろそろ行きますか。」とSAROさんが舞台袖を見やりながらうながすと、二代目の「まだまだこの後も続きますので、皆さん、どうぞごゆっくりお楽しみください!」という挨拶で舞台は次の場面へ続行していきます。
後半は、赤いドレスをまとった女性ダンサーたちの華麗なダンスで幕が上がりました。バレエのような、社交ダンスのような…鈴花ゆいちゃん、玲奈ちゃんもいつもの白塗りと違ったメイクで、宝塚歌劇の娘役たちの群舞さながら、のびやかに舞っていました。 そのあとは、まるでロールプレイングゲームの世界に迷い込んだような感覚でした。傷ついた戦士(鈴花奈々さん)が仲間(早乙女弘河くん、僚くん)に助けられながら登場しますが、やがて、闇の軍団に取り囲まれて…。世の中は、悪に支配されているようでした。
二代目扮する流浪の戦士が荒野に現れますが、暗闇をさまよううちに、悪の軍団に出くわし、翻弄され…絶望の中でもだえ苦しんでいました。
そこに、光の精(あゆみちゃん)が蒼い小瓶を手に現れます。そして、傷ついた戦士を選ばれし者とし、光の剣のある天上へと誘(いざな)うのでした。
悪の軍団は、JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)のメンバーを始め、朱雀の男優陣、そして先ほどは赤いドレスで優雅に舞っていた女性ダンサーも混じって、全員が黒い装束で動めいていて、その全体のおどろおどろしい動きは、とどまるところを知らずに暴れる巨大怪物のようでもありました。
二代目の早替わりは目を見張るようでした。黄金の衣装に身を包み、金髪をたなびかせた光の戦士となった二代目は、光と闇のコントラストの中で、悪の軍団を相手に壮絶な戦闘シーンが繰り広げていくのでした。
(つづく)
2010/01/16
「美しき華」inル・テアトル銀座⑤~お年玉~ by工藤ちはる
たまたま観たテレビのインタビューで二代目(パーマをかけた新しい髪型がすてきでした)も言っていたとおり、今回の公演では、「“お年玉”ならぬ、お正月ならではのサプライズ」があります!SS席のお土産のことかしら?…も、嬉しいのですが、それだけではありませんでした!お土産は全員なのですが、一部の当選者の方に…何があるのか?!これから観劇される方は、どうぞお楽しみにしていてください。
私にとっては、第1部の舞踊ショーそのものがサプライズの連続であり、“お年玉”でした。18歳になった二代目の、“男”を感じさせる舞いの数々…第1部の前半を構成するバレエやタップを基調としたダンスに、二代目の新たな可能性を再認識しました。2008年新春公演の品川クラブeXでも、洋装でのバレエやタップが披露され、ライブハウスは大いに盛り上がったのは記憶に新しいところですが、今回のような大劇場では初挑戦となります。長い手足と恵まれた体躯で、二代目はしなやかに優雅に、時には力強く…様々な表情をみせながら、大きな舞台の中で光と音に包まれながら舞っていました。
タップダンスでは、SAROさんとの競演が見事でした。見事なうえに、二代目には改めて驚かされました!ステップなどの技もさることながら、ちょっとした身のこなしがセクシーで…明らかに2年前の品川や、去年の青山でのタップダンスと比べると、斜め具合の角度や向き、動きそのものが変っていて…何と表現したらいいのか難しいのですが、とにかく、飛躍的に進化していたように思いました。昨年出演した「Missing Boys」で、世界で活躍するタップダンサー熊谷和徳さんを、毎日目の当たりにしていた効果もあるのでしょう。一つ一つの経験を、余すことなく見事に吸収している二代目の才能と努力に感銘を受けた第1部舞踊ショー前半でした。
(つづく)
2010/01/14
「美しき華」inル・テアトル銀座④~幕開け~ by工藤ちはる
スペースがあれば円陣を組むところですが、人数も多いので、今回は廊下にズラッと整列です。藤榮さんが「頑張っていきましょう」という内容の挨拶のあと、「それでは、皆さん!」と手を前に伸ばすと、皆もそれに合わせて、片手を差し出しました。一段大きな声で発したのは、「がんばるぞ!」ではなく…、「さおとめぇー!」、そして全員の「太一!」という唱和でした。
拍手しながら三々五々、全員が散らばって行く中、「いいかけ声でしたね。」と近くにいたスタッフに声をかけると、「“太一”だから、かっこいいんだよ。俺の名前じゃ(長すぎて)サマにならないから。」とのこと。なるほど二代目、名前もさすが、です(笑)!
それから間もなく、新春特別公演「美しき華」、第1部舞踊ショーの幕開けとなったのでした。
(つづく)
2010/01/13
「美しき華」inル・テアトル銀座③~パンフレット~ by工藤ちはる
グッズ売り場でのこの日の売れ筋は、何と言っても「パンフレット」でしょう!着物のお二人がちょうど手に取っている場面に遭遇しました。
昨年の晩秋に浅草ロケでこのパンフレット用に撮り下ろされた写真の数々。この1冊は、まさに写真集のようで見応え十分です!素顔の写真の他、女形のショットもありますし、稽古風景の真剣な眼差しもしっかり収められています。
何より嬉しいのは、巻末にある、舞台構成の一覧表…とでもいうのでしょうか、楽屋では「香盤表(こうばんひょう)」と呼ばれているものが掲載されていることです。第二部舞踊ショーでのシーン名や出演者がわかるようになっています。是非とも、観劇のお供に、また今回ル・テアトル銀座に足を運べなかった方へのお土産にいかがでしょうか?香盤表を眺めているだけで、二代目が舞う姿がまぶたの裏に浮かび上がってくるかもしれません。
(つづく)
2010/01/12
「美しき華」inル・テアトル銀座②~グッズ~ by工藤ちはる
まず目に飛び込んできたのは、右側の売り場にある、お正月ならではの「福袋」、4,000円。中には8,000円相当の商品が入っているということですから、かなりお得です!
左側の売り場に目を向けると、お馴染みの和菓子類の並びに新商品を発見しました!イラスト調の女形と素顔の二代目がストラップとなってお目見えです。その手前にあるハート形のピンク色の物体…何だろう?とよくよく見れば、「エコカイロ」とのことです。中に入っている金属チップを曲げると放熱し、何度も使うことができるという優れもの。まさに、今の季節の必需品!しかもエコですから、地球にも優しいのです。
ABISTEとのコラボレーションにより数量限定で発売されているキーホルダーとストラップも、ピンクのストーンが可愛らしくキラキラと光を放ち、目を惹きました。特に、このミニブタストラップは、「プレゼントしたら結婚が決まった、彼氏ができた、仕事がもらえた」などと、雑誌やブログなどで紹介されている、今人気沸騰中のラッキーアイテムということです!限定品には二代目のロゴが入っていますので、さらに幸運パワーアップしそうです!
新作は、まだまだあります。お守りとシュシュは、それぞれ赤と青の2色がありました。お守りは、二代目18歳の記念となる品でもあり、裏側には「18」という数字が意匠として目立っていました。
その他、人気の二代目の生写真ラックなどなど、二代目づくしのグッズ売り場なのでした。
(つづく)
2010/01/11
「美しき華」inル・テアトル銀座① by工藤ちはる
さて、1月6日から始まったル・テアトル銀座での新春特別公演「美しき華」。初日の公演には、着物をお召しになったお客様もいらっしゃり、華やかでした。
ル・テアトル銀座の会場入り口のある3階でエレベーターを降りてすぐ目の前にあるのは、ファンクラブ・ブースです。二代目の大きな幕がお出迎えです!
グッズ売り場が並ぶエントランスを通り、エスカレーターで上がった客席に向かう途中のホールでは、人気の華道家、假屋崎省吾さんによる大きな作品が私たちを迎えてくれました。生け花のほか、昨年末のディナーショー(ニューオータニ高岡)からお目見えした赤い着物タペストリーも展示されていて、フロア全体が新春モードに彩られていました。
開演までの時間や休憩時間など、花を愛でながら過ごすひとときは、新年への気持ちの切り替えに安らぎを与えてくれました。そして、この華たちに競合するであろう二代目の「華」を、今年もまた観ることができる幸せをしみじみと感じるのでした。
(つづく)
2009/12/31
年の瀬に… by工藤ちはる
執筆中のBGMは、「蛮幽鬼」のサントラ版。最近のマイブームのひとつに、この曲を聴きながら併せて戯曲(シナリオの本)を読む、というのがあります。脳裏に様々なシーンが蘇るので、素敵な時間が過ごせるのですが、今は筆が進まなくなるので、戯曲は封印しています。
2月は、大阪・新歌舞伎座の「早乙女太一特別公演」で、歴史ある大阪なんばでの新歌舞伎座のさよなら公演で座長を務めました。
「千年の祈り2009」ツアーを何箇所かで公演した後の4月には、赤坂ACTシアター1周年記念公演となる「Missing Boys」。ここで二代目は初の現代劇で、尾崎豊さんの歌も披露しました。同年代の仲間もでき、楽しい時間を過ごしながら一回り成長した二代目を感じました。
「Missing Boys」大阪公演の後は、続く「千年の祈り2009」全国ツアーを敢行。
7月は、名古屋・名鉄ホールで新生「わらべうた」が上演されました。
さらに「千年の祈り2009」ツアーで日本各地を回り、8月中旬に北陸の「日本元気劇場」の杮落とし公演に出演した後、本格的な「蛮幽鬼」の稽古に入りました。その間、劇団朱雀は熱海の芸妓見番での公演でした。
9月24日前後は、熱海でのお誕生日公演とバースデー・イベントが盛大に開催されました。
そして、9月末にはいよいよ新橋演舞場での「蛮幽鬼」の公演が始まりました!10月、11月と、梅田芸術劇場公演まで「蛮幽鬼」の舞台に立ちながら、演舞場の休演日には、劇団朱雀の公演先である佐倉の湯ぱらだいすに出演していました。
12月に入ると、全国のホテルでのディナー・ショーと、2010年新春公演の稽古です。
その他、これら舞台出演やツアーの合間をぬって、NHK・BSの「ごきげん歌謡ショー劇団」のレギュラー出演や、各種雑誌の取材、テレビ番組収録などをこなしました。
目まぐるしく過ぎた2009年、可能な範囲で二代目の活躍をこのブログでお伝えしてまいりました。2010年も同様に、ブログを通して二代目を応援していきたいと考えておりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
紅白で二代目を見ながら、よいお年をお迎えください。
2009/12/30
イヴのディナーショー⑥ by工藤ちはる
ホテルのショーのいいところは、1000人規模の大劇場ではないので、いつもより近くで二代目とご挨拶ができるところでしょう。
ひとりひとりに笑顔を向けながら挨拶し、送り出しをしている二代目を見ると、改めて、背が伸びて一回り成長していることがわかりました。背が高くなると女形は難しいのかと思っていましたが、なんのなんの!この長身だからこそ長い手足が大きく動くので、舞台上での着物やスポットライトがより映えて、大きな会場の隅々までその魅力が伝わるのだと思いました。
来年の二代目は、どのような飛躍を見せてくれるのでしょうか…今から本当に楽しみです!
会場の外には、グッズショップとファンクラブブースが並び、来場された皆様は、今年最後の品定めをしていました。また、会場の前に飾られていたツリーを改めて見ると、生木でした!ここで着飾ったお客様たちが記念撮影をしあっているのは、とても華やかでした。
ご来場された皆様は、二代目の素敵な舞いと笑顔に、思い出深いクリスマス・イヴを過ごされたことと思います。私のレポートではカバーできなかった部分もたくさんありますので、是非、皆様の思いのたけを、レポートにしてお送りください!…その際は、ハンドルネームの記載もお忘れなきよう、お願いいたします。
イヴのディナーショー⑤ by工藤ちはる
京都・嵐山の染め師、奥田祐斎先生の新作でしょう。華やかな色彩の着物をまとった二代目が幻想的な女形を舞いました。それに続くように、今度は友貴くんが淡い祐斎カラーの着物で女形を舞いました。早乙女弘河くん、僚くんとの相舞踊です。扇を巧みに使った、友貴くんが得意のフラメンコ調の舞いでした。
そして…「夜桜お七」のイントロが流れてきました。
二代目に続き、朱雀の男女優陣が勢ぞろいすると、いよいよフィナーレが近づいていることがわかりました。
曲の途中で、座長と奈々さんが登場し、二人の相舞踊です。…そういえば、今日は奈々さんの舞いをここで初めて観ることができました!そっと背中に回した座長の手に、寄り添うように舞う奈々さん…夫婦の絆をしっかりと感じました。
全員の扇がシャッと翻(ひるがえ)り、「夜桜お七」が終わると、とうとうエンディングです。男女優陣の挨拶から、座長・奈々さん・友貴くんのご挨拶。 そして、赤い一輪のバラを手にした二代目が登場して、客席に降りてきました。加賀でのレポートにもあったように、ゆっくりと周囲に優しい眼差しを投げかけながら歩を進め、途中、ひとりのお客様にバラを手渡して舞台に戻っていきました。そして…ショーの幕が閉じました。めまぐるしく、様々な表情の二代目の魅力を余すことなく堪能できたひとときは、あっという間に過ぎていきました。
(つづく)
2009/12/29
イヴのディナーショー④ by工藤ちはる
その後、今度は柔らかい色の羽織で、長髪を後ろで束ねた優しげな二代目の立ちの舞いです。会場内を歩いて後方の特設舞台で、きりりと決めのポーズ。羽織をするりと脱ぐ姿を、至近距離でじぃっと見入るお客様たちは身じろぎひとつしていませんでした。
しっとりした曲に替わると、再び女形に早着替えをした二代目が、「石狩挽歌」を、優雅に。
一転して元気のよいB’Zの曲になると、漁師姿の友貴くんが現れました。会場の手拍子に合わせて男優陣とのクルクルと素早い群舞が繰り広げられていましたが、途中で舞台を降りて、後方の特設舞台へ。ここでもクルクル舞っていたのですが、なにぶん、まだ小さめサイズなので、少し離れたお客様たちは手拍子をしながら立ち上がって、背伸びをして…一生懸命に舞う友貴くんを一生懸命に観ようと頑張っていらっしゃいました。
曲が終わり、手拍子が拍手に変わると、ここで司会者が登場し、重大発表がありました。なんと、二代目が今年3年連続でゲストとして紅白歌合戦に出場するという、ビッグニュースです!二代目の公式サイトでのトップページにお知らせが出ていますので、時間などチェックしてみてください。大晦日を二代目の女形の舞いで締めくくれるなんて…今年もよい年越しができそうです!
(つづく)
2009/12/28
イヴのディナーショー③ by工藤ちはる
ショーは、二代目の「さのさ」から始まりました!黒の紋付をきりっと粋に着こなした芸者姿の二代目が登場すると、会場からは拍手と歓声があがりました。しばし一人舞踊のあとは、劇団朱雀の男女優陣が黒の紋付で勢ぞろい、圧巻でした。男女4人ずつ…ですが、それぞれ一人ずつ、男性が女形を、女性が立ち役をしているのがお分かりになったでしょうか?
曲の途中で、早着替えをして淡い色調の着物をまとった二代目が登場し、群舞に加わりました。華やかなオープニングに、会場中がふわっと沸き立つようでした。
座長が舞い終わると、司会者2名が舞台上に現れ、座長のご挨拶と、ちょっとしたやり取りがありました。この間、二代目はどんな変身をしているのだろう…とドキドキしながら座長の温かいトークに聞き入っていました。
さて続いては…袴姿に短髪の二代目が、「黒田節」です!長刀を手に、優雅に凛々しく、自在に操る姿に没頭していると、途中で曲調が変わり、太鼓と男優陣が現れました。二代目も長刀を太鼓のバチに持ち替え、中央の太鼓に向き合いました!二代目の太鼓を連打する姿は、とても美しかったです。長い腕がしなやかに舞っているようでした。
終わると…再び司会者が登場し、二代目にマイクを渡します。はぁはぁと息を切らせた二代目から、途切れ途切れの、ご挨拶。これがまた、緊張感あふれた殺陣の直後の臨場感に溢れ、大喝采となったのでした!
(つづく)
2009/12/27
イヴのディナーショー② by工藤ちはる
会場入り口にはタペストリーが飾られており、いつもながらの、記念撮影スポットとなっていました。真っ赤な着物の柄で、お祝いムード満点でした。
グッズ売り場での私にとっての新作は、花魁姿の二代目の化粧箱が美しい「まんじゅう」でした。大き目のおまんじゅうが10個入って1,000円。早速、職場へのお土産にしました。
そうこうしているうちに、いよいよ、ショーの時間がやってきました!
(つづく)
2009/12/26
イヴのディナーショー① by工藤ちはる
私は9月の熱海でのお誕生日公演からしばらくの間、二代目の女形の舞いを観ていなかったので、とても楽しみにこの日を待ちました。高岡のニューオータニをご覧になった方から、「太一くんの舞いがより優雅になっているようでした。」というコメントをいただいていたので、18歳になって3ヶ月目の二代目の変貌ぶりを想像しながら、会場に向かったのでした。
東京メトロの水天宮前駅を降りると、改札口からすぐのところに、ホテルの地下エントランスがありました。正面玄関ではありませんが、ここもすっかり、しっかりクリスマス・モードです!
とはいえ、このホテルは成田空港からのアクセスがよく、またビジネス街も近いことから、クリスマス・イヴのこの日も、国内外のビジネスマンたちが忙しそうに闊歩しているのでした。
そのまま宴会場のある3階まで上がると…広いロビーにはお洒落をしたお客様が、お友達やご家族などと談笑をしていて、ほんわかとした暖かいムードが流れていました。
(つづく)
2009/12/07
「蛮幽鬼」大阪公演③ by工藤ちはる
梅田芸術劇場は、縦方向に空間が広がる劇場でした。新橋演舞場とは違った会場設計に、どのような演出が施されているだろうと、期待に胸が躍りました。長い花道がないのですが、舞台の下手と上手の両方に、プチ花道とでもいうような数メートルの通路があります。ここのスペースをどう活用するのかしら、などと考えるのは楽しいものでした。刀衣やサジが走り去るシーンや、帝が牛車で登場するシーン、浮名が遊女たちと戯れるシーン…。グッズショップで購入した「戯曲」を斜め読みしながら、新橋演舞場で観た花道シーンを脳裏によみがえらせながら、開演時刻を待ちました。
オープニングの音楽が鳴り始めました。 東京公演で長い花道を使ったシーンのいくつかは、プチ花道を使う分、セリフ回しや間合いの変化が新鮮でした。また、スピード感や時間をかけて歩くことが必要なシーンは、客席を通り抜けて行く演出となっていました! 上手側、下手側の通路を効果的に使い、空間や時間を感じることができました。私は1階中央通路沿いの席だったのですが、何より、すぐ近くを、刀衣が、飛頭蛮が、サジが通るのですから、期待以上の演出に、大興奮でした!
恒例のコール&レスポンスのコーナーも、時事ネタが関西バージョンとなっていて、笑いと共に盛り上がっていました。あとは…もう最初から最後まで食い入るように観劇していました。
一緒に観劇した人が気づいて教えてくれたのですが、小道具も、少し変化があったようです。例えば、浮名が縄を切るハサミがカニになっていたなど。…私には気づけませんでした。あぁ、できればもう一度観たい! …という思いを残しつつ、帰りの新幹線で「戯曲」を読みふけっていたのでした。
2009/11/29
「蛮幽鬼」大阪公演② by工藤ちはる
梅田芸術劇場の1階から入場すると、すぐ目の前に中2階へ上がる大階段がありました。その階段のすぐ脇に、出演者等へのプレゼントや花束を預かるコーナーがあります。私も二代目にささやかなお土産を持ってきていたので、ここで受付していただくことにしました。受付担当の方が、「お渡しする方のお名前をお願いします。」と出してきたのは、クマのぬいぐるみの付いたペン立てとメッセージ用紙でした。ここにメッセージを書いて品物を渡せば、完了!です。
階段を中2階へ上がると…、うわぁっ!と目の前に広がったのは、 「蛮幽鬼」の大きな大きな看板でした。ここが記念撮影スポットらしく、皆さん一心にカメラを向けていました。
ここからさらにエスカレーターを上がると、そこが1階席のロビーとなっています。こじんまりとしたスペースにグッズショップが繰り広げられ、賑わっていました。
売り場では、いのうえ歌舞伎の紹介VTRが放映され、代表的なDVDが販売されている他、「蛮幽鬼」のCD、それと東京公演のときには見当たらなかった「蛮幽鬼 戯曲」が発売されていました! シナリオのような本で、限定版で中島かずきさんのサイン入 りもあったようです。私が見たときには、サイン本は売り切れていましたが、今回の大阪観劇記念の品は、この本に決めました!
二代目のグッズコーナーでは、カレンダー2種類とリップクリームストラップ、マフラータオル4種と、新作のハンドタオル(2色組)が販売されていました。係員の方に聞くと、館内は撮影禁止でしたので、画像でご紹介できなくて、残念です。
開演までまだ少し時間があったので、2階、3階の客席も見学しました。1階からは天井が高すぎて気づきませんでしたが、3階に上がると、カスミ草のような可憐な灯りがたくさん集まった感じのまるまるっとした巨大なシャンデリアが、とてもきれいでした。
(つづく)
2009/11/27
「蛮幽鬼」大阪公演① by工藤ちはる
11月24日(火)、晩秋の大阪・梅田は雲に覆われていましたが、その分暖かく、クリスマスムードに浮き立つ人々で賑わっていました。「蛮幽鬼」の大阪公
演が観たい一心で乗り込んだ私は、街の雰囲気にも盛り上げられ、劇場が近づくにつれて小躍りしたい気分でした。
梅田駅を阪急線の高架沿いに歩いていくと、アプローズタワーという高層ビルがあります。梅田芸術劇場を始め、ホテル阪急インターナショナルが入っていたり、毎日放送(MBS)も隣接している複合ビルです。高架側のエントランスから高級ブティックが並ぶアーケードを抜けようとしたら、コンコース中央に聳え立つ大きなクリスマス・ツリーが出迎えてくれました。
梅田芸術劇場側のエントランスは紅葉に彩られ、オープンテラスのカフェがあり、とてもいい雰囲気でした。劇場入り口には、待ち合わせをする人、当日券の問い合わせをする人など、たくさんのお客 様がいて、その人たちをかきわけつつ、いざ、劇場内へ!
(つづく)
2009/11/20
「蛮幽鬼」気分は大阪へ! by工藤ちはる
「蛮幽鬼」大阪公演は、11月9日(月)に梅田芸術劇場で初日を迎えました。
「もうめっっっちゃ、よかった!怖くて可笑しくて、かっこよくて、泣けて…」「太一くん、テレビでは女形のイメージが強かったから、男らしい演技しはるなぁと感心したわ」などと、観劇した友人から大絶賛の声を聞くにつけ、当初は予定をしていなかったのですが、やはりこれは観ておかなければ!と、スケジュールを調整することにしました。
チケットをどうしようか…と思いましたが、「蛮幽鬼」の公式ウェブサイトを見ると、当日券は毎公演販売するようです。また、各プレイガイドでも日程によっては良席があるということも聞きました。
私が行ける日がどういう状況かを確認したくて、インターネットでチケットぴあにアクセスしたら、思いがけなく舞台の写真付きで紹介文を目にすることができました。…気づくの遅すぎる、と言われればそれまでなのですが、改めて、文章でその素晴らしさを味わうことができ、幸せになったのでした。
二代目が紹介されている部分を、抜粋してご紹介しましょう。
「裏切りが裏切りを呼び、悪は単色では収まらない。サジだけでもブラックホールのような人物なのに、彼と渡り合う役人(千葉哲也)まで登場させ、人の心の悪意に底知れない恐ろしさを感じさせる中島かずきの世界観は大きい。そこで観客の目を『痛快』に楽しませるのはもちろん、アニメさながらの殺陣だ。なかでも新感線初参加の早乙女太一が素晴らしい。剣をひとふりすれば剣先が美しい円を描き、ジャンプすれば空中滞在時間が長い。上川は、複雑な感情を抑えた演技で包みながら、座組みを引っ張る。観客のアドレナリンを刺激することにかけては超一流のいのうえひでのりの演出は、厚みのあるストーリーと力のある役者陣に、見事に緩急をつけていく。」
観劇は、千秋楽に近い日程となりそうですが、今からもうその日が待ち遠しくてしかたありません!
2009/11/19
「蛮幽鬼」東京千秋楽③ by工藤ちはる
千秋楽は、2階席からの観劇でした。上手側の2階席でしたが、舞台全体、そして場の展開がよく見えて楽しめました。
千秋楽ということで、客席には「蛮幽鬼」リピーターのお客様が多かったようでした。それでも、“コール&レスポンス"のコーナーで、橋本じゅんさんが「今日、初めてというお客様、いますか?」と問いかけると、やはり何割かは初観劇だったようで、説明をしていました。初日に比べると大盛り上がりのこのコーナー、大阪公演ではどんな感じなのかな、と非常に気になりながらレスポンスの渦に身を置いていたのでした。
カーテンコールも何度もありました。最初のカーテンコールでは、近い日程でお誕生日を迎えた山内圭哉さんと千葉哲也さんがバースデーケーキのろうそくを吹き消すというサプライズ・イベントもあり、場内はお祝いムードいっぱいです。 その後も鳴り止まない手拍子に、何度も何度も応えて出てくる出演者に、拍手の嵐!もう終わりかな…と思ったときに、出演者たちがバスケットを手にまた舞台に現れました。中には、「蛮幽鬼」せんべいが!大衆演劇のように、舞台の上から客席に向かって投げられました。これは、会場にいる全員がもらえる数ということで、1階の真ん中くらいから、2階、3階にも出演者が散らばり、「もらっていない人、いませんか~?」と声をかけてくれました。私に手渡してくださったのは、果拿(かだ)の国の“先生”でした。お年寄りの役でしたが、おせんべいを配り終えた後、2階からものすごい勢いで駆け下りていく姿を見る限り、ずいぶんお若いように思えました。
そして、上川隆也さんのご挨拶があり、いよいよクライマックスを迎えたことがわかりました。上川さんの最後の言葉に合わせて、「パン、パパーン!」という弾ける音と共に、金銀のテープが会場を飛び交い、空から降ってきたのでした。出演者も知らなかったようで、皆さん「おぉ!」と声を出して…舞台上も客席も、拍手喝采のまま最後の緞帳が降りたのでした。
半ば放心状態になりながら会場を出ると、そこには大きなトラックが停まっていました。目を向けると…舞台セットの一部です! あのシーンやこのシーン…色々思い出しながら、大阪へ向かって出発する雄姿を見送りました。間口や奥行きが違う梅田芸術劇場では、このセットたちはどのような表情を見せるのでしょうか…。